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PEEKの切削加工を依頼する前に押さえておきたい5つのポイント

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、耐熱性や耐薬品性、機械的強度に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックの一種です。過酷な環境下でも安定した性能を発揮することから、医療、航空宇宙、自動車、電子機器分野などで広く採用されています。
本記事では、PEEKの特徴や用途を整理するとともに、切削加工を依頼する前に設計段階で押さえておきたいポイントを解説します。

PEEKとは?

PEEK(Poly Ether Ether Ketone)は、熱可塑性樹脂の中でも最高クラスの性能を誇るスーパーエンプラです。高温・高圧・薬品環境などの過酷な条件下でも劣化しにくく、金属代替材料としても注目されています。

PEEKの主な特徴とメリット

耐熱性・耐高温性

・連続使用温度:約250℃
・高温スチーム中での長時間使用も可能(オートクレーブ対応)
・融点:343℃と非常に高い

※ただし、ガラス転移温度は143℃とやや低いため、高温・高負荷の環境では性能低下に注意が必要です。

機械的強度・摺動性

・広範囲の温度帯で高い引張強度と耐疲労性を維持
・炭素繊維やガラス繊維の添加により更なる強度向上が可能
・摺動性に優れたグレードも存在

耐薬品性

・濃硫酸を除く多くの薬品に耐性
・高温環境下でも優れた耐薬性を保持

難燃性・電気絶縁性

・UL94 V-0認定の難燃性
・高温高湿下でも安定した電気絶縁性

寸法安定性

・吸水率が低く、経年変化や環境変化による変形が少ない

その他

・放射線耐性が高く、医療や原子力分野でも採用
・FDAや食品衛生法への適合グレードもあり食品用途にも対応

 PEEKの主な用途

PEEKは上述の特性から、主に下記の用途で使用されます。

・医療機器:手術器具、インプラント、カテーテル
・航空宇宙:コネクタ、配管、構造部材
・自動車:エンジン周辺、シール、ギア部品
・電子部品:絶縁端子、半導体洗浄治具
・一般機械:ポンプ部品、摺動部、ギアなど

PEEKのデメリットと加工の難しさ

PEEKは下記の点から加工が難しいといわれています。

・材料価格が高価(廃棄や不良リスクが大きい)
・熱伝導率が低く、切削熱がこもりやすい
・材質が硬く、刃先の欠けやバリが発生しやすい
・反りや変形が起きやすいため、加工順序や保持方法に工夫が必要

PEEK切削加工を依頼する前に押さえておきたい設計ポイント

PEEKは非常に優れた素材ですが、切削加工を成功させるには設計段階からの工夫が必要です。下記にてその設計ポイントをご紹介いたします。

① 公差設定は「必要最小限」に

PEEKは熱や機械応力によってわずかに寸法変化を起こします。高精度が必要な箇所以外は公差を緩めに設定することで、加工コストや不良リスクを抑えることができます。

② 板厚・形状に注意(反りやすさの回避)

薄肉かつ広面積の部品は加工時に反りが生じやすいため、設計段階でのリブ追加や、厚み方向のバランスを意識することが重要です。

③ 穴径や溝幅は工具に適した寸法を

PEEKは硬いため、小径や細溝には専用工具が必要です。工具破損や加工不良を避けるためにも、標準工具に合った寸法設計が理想です。

④ ネジ・タップ加工箇所には座ぐりを

座面がしっかりしていないとネジ締結部が割れたり、変形したりする恐れがあります。座ぐりや補強形状を検討してください。

⑤ 組立・接着・溶接の考慮した設計を行う

PEEKは接着性が低く、一般的な接着剤が効きにくい特性があります。機械的接合やインサート成形を前提とした設計が望ましいです。

PEEKの切削加工は、F・Sエンジニアリングにお任せください!

PEEKは非常に優れた素材である一方、加工には高い技術が求められます。特に設計段階での配慮が、品質とコストの両立を実現するための重要な要素です。

当社では、PEEKの特性と加工ノウハウを熟知したプロフェッショナルが、図面段階からのご相談にも対応いたします。PEEKの切削加工でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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