POM(ジュラコン®) プッシャー
| 材質 | POM(ジュラコン®) |
| 形状 | プッシャー |
| 業界 | 搬送装置 |
| サイズ | 70×40×30 |
本製品は、搬送装置の工程内でワークの押し出しや位置決めに使用される、POM(ジュラコン®)製のプッシャーです。
材質には、自己潤滑性と耐摩耗性に優れたPOMを採用しています。POMは、繰り返しの摺動を伴う搬送機構に適したエンジニアリングプラスチックであり、金属部品に比べて適度な弾性と柔らかさを持つ点も特長です。そのため、ワークとの接触時に表面へ傷や打痕を与えるリスクを抑えながら、安定した押し出し動作を実現できます。
形状面での特長は、ワークと接触する押し出し部に対し、装置への取り付け面側に所定の角度が設けられている点です。本製品は、段付き部に設けたタップ穴を介して装置本体に固定される構造となっており、組み付け時にワークへ適正な姿勢で接触できるよう設計されています。
このような傾斜構造を持つ部品では、取り付け基準となるタップ穴とワーク接触面との角度関係を高精度に維持することが、機能を成立させるうえで重要となります。角度や穴位置にわずかなズレが生じると、組み付け時の姿勢やワークへの当たり方に影響し、搬送時の位置決め精度にも関わるためです。
当社では、まず基準面となる箇所を先行して加工し、その後、指定角度を正確に再現するための専用治具を設計・製作しました。専用治具によってクランプ時の姿勢を安定させたうえで、傾斜面を基準とした穴加工を行うことで、角度関係と穴位置精度の両立を図っています。
また、POMの切削特性を踏まえ、加工部位に応じた工具選定や切削条件の調整も行いました。これにより、加工時のズレや変形を抑えながら、納入先での組み付け時に安定した姿勢再現性を確保しています。
特殊な角度を持つ複合形状であっても、基準設定、治具設計、加工条件を適切に組み合わせることで、装置内での安定した搬送動作を支える高精度な樹脂部品に加工しています。