金属検知対応の樹脂素材とは?
食品製造機械や医療機器、包装設備の設計・開発において、異物混入(コンタミ)の防止は極めて重要です。
最近では、軽量化や無潤滑化を目的として、様々な部品で金属からの樹脂化が進んでいますが、それに伴い「万が一、樹脂部品が破損して混入した場合、どうするのか?」という課題も生まれています。
そこで本記事では、コンタミ防止につながる「金属検知対応樹脂」について、代表的な素材、依頼時のポイントを詳しく解説します。
樹脂のコンタミ防止の重要性
食品・飲料工場や医薬品の製造ラインでは、最終工程で金属探知機やX線検査機による異物検査が行われます。通常、金属部品の破片であれば容易に検知してラインを止めることができますが、一般的な樹脂素材は非磁性かつ密度が低いため、金属探知機やX線検査機をすり抜けてしまいます。
もし、ギアやスクリュー、ガイドレールといった樹脂の切削加工部品が摩耗・破損し、その破片が製品に混入して市場に流出してしまうと、大規模なリコールや企業信用の失墜に直結します。こうした背景から、万が一の破損時にも既存の検査設備で発見できる、樹脂のコンタミ防止対策が、設備設計の段階で必要になっています。
金属検知対応樹脂とは?
金属検知対応樹脂は、一般的な樹脂素材に、金属探知機が検知できる特殊な添加剤(微細な金属粉末や磁性体など)をベースポリマーに均一に練り込んだ特殊グレードの樹脂を指します。これにより、樹脂本来の軽量性、耐摩耗性、耐薬品性などの特性を維持しながら、金属と同じように金属探知機で検知することが可能になります。
さらに、青色などの視認性の高いカラーリングが施されている樹脂もあり、光学式検査機や目視での異物混入の発見率をさらに高めている素材もあります。
金属検知対応グレードのある代表的な樹脂素材
金属検知対応の樹脂は、使用環境(温度、荷重、薬品の有無など)に合わせてベースとなる樹脂を選定する必要があります。切削加工でよく用いられる金属検知対応グレードのある代表的な樹脂素材は以下の4つです。
①PEEK 金属検知機対応グレード
非常に高い耐熱性(連続使用温度250℃以上)と優れた機械的強度、耐薬品性を持つスーパーエンプラです。高温の食品加工ラインや、強力な洗浄・殺菌剤を使用する医療機器の部品に最適です。

②POM 金属検知機対応グレード
切削加工性が非常に良く、寸法安定性に優れた素材です。耐摩耗性も高いため、食品機械の歯車(ギア)や軸受、スクリューなど、摺動部材として幅広く採用されています。

③PA6 金属検知機対応グレード
衝撃吸収性や耐摩耗性に優れており、タフな環境下での使用に向いています。ガイドレールやスターホイールなど、製品と直接接触しながら搬送する部品に適しています。

④PBT 金属検知機対応グレード
吸水性が極めて低く、耐薬品性(特に塩素系の洗浄剤に対する耐性)に優れています。湿度の高い環境や水気の多い食品加工ラインでのコンタミ防止部品として効果的です。

樹脂切削加工は、F・S・エンジニアリングにお任せください!
今回は、金属検知機で検知できる樹脂素材についてお伝えいたしました。当社では、金属検知機に対応した樹脂素材の切削加工についてもご対応可能です。
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