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樹脂切削加工の材質別のポイント|樹脂20種類の切削・設計の注意点

樹脂部品を1個から試作したい場合や、数百個程度を製作したい場合には、金型を使わない樹脂切削加工が適しています。設計の検証から少量生産まで対応できる方法です。

樹脂は材質によって加工のしやすさや、設計時に注意すべき点が異なります。この記事では、主な樹脂材質ごとの切削・設計のポイントを、加工現場の視点から解説します。

樹脂・プラスチック切削加工ラボ

樹脂切削加工ラボが選ばれる理由

樹脂切削加工の事例一覧

1.樹脂切削加工とは

樹脂切削加工とは、板や丸棒などの樹脂材料を、旋盤やマシニングセンタで削り出して部品にする加工方法です。射出成形のように金型をつくらないため、初期費用を抑えて1個から製作でき、設計変更にも柔軟に対応できます。数量が数万個を超える場合は射出成形が有利ですが、試作から数千個程度までは切削が向いています。

1個から数千個までの樹脂切削加工

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金属の切削と大きく違うのは、樹脂が熱に弱く、たわみやすい点です。切削熱がこもると溶着や変形が起こり、吸水や温度変化によって寸法も変わります。材料内部に残った応力で、加工後に反りが出ることもあります。これらの程度は材質ごとに異なるため、材質に合わせた加工と設計が欠かせません。

三次元測定機・恒温室による品質管理

金属からの樹脂化のメリットとポイント

2.樹脂切削加工方法

樹脂の旋盤加工

丸棒を回転させて外径や内径を削る方法で、ピン、ローラー、ブッシュなどの丸物に向いています。熱がこもりやすいため、切削速度や送りの調整が重要です。

ピン形状の樹脂切削加工事例

ローラー・プーリー形状の樹脂切削加工事例

カラー・スペーサー形状の樹脂切削加工事例

樹脂のマシニング加工

プレート、ブロック、ケースなどの角物や、多面・複雑形状に向いています。旋削とミーリングを1台で行える複合旋盤を使えば、工程を集約してコストを抑えられます。

プレート形状の樹脂切削加工事例

ブロック形状の樹脂切削加工事例

ケース・カバー形状の樹脂切削加工事例

複合旋盤を活用した樹脂切削のコストダウン

3.樹脂の材質別 切削・設計ポイント

切削加工に使われる樹脂の多くは、加熱すると軟らかくなる熱可塑性樹脂です。ここでは、対応している主な材質を分類ごとに紹介します。

スーパーエンジニアリングプラスチック

PEEK

耐熱性、耐薬品性、強度に優れ、寸法安定性も高い高機能樹脂です。硬いため、細い工具では欠けや折れが起こりやすく、切削条件を慎重に設定する必要があります。熱がこもると寸法が変わるので、冷却も重要です。設計においては、薄肉やシャープな角を避けてコーナーRを付けると、欠けを防ぎやすくなるため注意が必要です。材料費が高いため、材料の取り方を工夫することも有効です。

PEEKの樹脂切削加工事例

医療分野で使われるPEEKの選定ポイント

PEEKへの材料変更による不良品抑制の事例

PTFE(テフロン)

耐薬品性と低摩擦性に優れる一方、軟らかく、強く固定するとつぶれてしまいます。荷重をかけ続けると変形が進むクリープも起こりやすいため、固定は弱めにし、切れ味のよい工具で加工します。設計では、締め付けや面圧による変形を見込んだ寸法にします。

PTFE(テフロン)の樹脂切削加工事例

UHMW-PEとPTFEの違いと選び方

勘合状態を考慮したテフロンリングの最適化事例

PVDF

フッ素樹脂の中では硬く、強度と耐薬品性のバランスに優れています。半導体の薬液まわりの部品などに使われます。PTFEより切削しやすい反面、熱の影響を受けやすいため、発熱を抑える条件設定が必要です。

PVDFの樹脂切削加工事例

半導体製造装置向けの樹脂切削加工事例

PPS

耐熱性、耐薬品性、難燃性に優れ、寸法安定性も良好です。ガラス繊維入りのグレードが多く、工具の摩耗が早い点に注意が必要です。設計では、応力が集中する角にRを付けて、割れを防ぎます。

PPSの樹脂切削加工事例

電子機器向けの樹脂切削加工事例

PI(ベスペル)

耐熱性が非常に高く、摺動性にも優れています。一方で脆く欠けやすいため、薄肉や鋭い角の設計には注意が必要です。

PI(ベスペル)の樹脂切削加工事例

PAI

高強度・高耐熱の材質で、材料費も高価です。吸水しやすいため、寸法の管理に注意が必要です。

PAIの樹脂切削加工事例

PEI(ウルテム)

耐熱性、難燃性、電気特性に優れています。加工後に応力が残るとクラックの原因になるため、加工条件を工夫して残留応力を抑えます。

PEI(ウルテム)の樹脂切削加工事例

汎用エンジニアリングプラスチック

POM(ジュラコン)

切削性がよく、バリが出にくいため、精密部品に向いています。吸水が少なく、寸法変化が小さい点も特長です。ポジティブリスト対応のグレードもあり、食品機械などにも適しています。

POM(ジュラコン)の樹脂切削加工事例

ポジティブリスト対応の樹脂材料と注意点

ポジティブリスト対応の異物検査機用シャフトの事例

MCナイロン(PA)

強度、耐摩耗性、摺動性に優れ、コストも抑えやすい使い勝手のよい材質です。ただし吸水しやすく、湿度によって寸法が変わります。公差は使用環境まで考えて決めることが重要です。

MCナイロンの樹脂切削加工事例
MCナイロンとよく比較される材質
材料変更によるコストダウン・品薄対策

PC(ポリカーボネート)

透明性と耐衝撃性を兼ね備えています。切削熱や残留応力、薬品の影響でクラックが出やすいため、切削条件の設定と、設計時のRの設定が重要です。

PC(ポリカーボネート)の樹脂切削加工事例

PCの切削加工を依頼する前に知りたい設計ポイント

PET

吸水が少なく、寸法安定性と耐摩耗性に優れた結晶性の樹脂です。ペットボトルとは異なり、機械部品などで使われます。

PETの樹脂切削加工事例

PETの切削加工を依頼する前に知りたい設計ポイント

UHMW-PE(超高分子量ポリエチレン)

耐摩耗性、耐衝撃性、自己潤滑性に優れていますが、軟らかく、切削が難しい材質です。たわみを抑える固定と、切れ味のよい工具が欠かせません。

UHMW-PEの樹脂切削加工事例
UHMW-PEの切削加工を依頼する前に知りたい設計ポイント

ユニレート

絶縁性と寸法安定性に優れ、吸水や温度変化にも強い材質です。精度を保ちたい治具などの部品に向いています。

ユニレートの樹脂切削加工事例
ユニレートの切削加工を依頼する前に知りたい設計ポイント

PBT

電気絶縁性と耐熱性があり、電子部品によく使われます。ガラス繊維入りのグレードは、工具の摩耗に注意が必要です。

PBTの樹脂切削加工事例

汎用プラスチック・熱硬化性樹脂

ABS

加工しやすく、試作や外装部品に向いています。発熱で溶けやすいため、冷却と切削条件に気を配ります。

ABSの樹脂切削加工事例
ABSの切削加工を依頼する前に知りたい設計ポイント

PP(ポリプロピレン)

軽量で耐薬品性があり、コストも抑えられます。軟らかく、寸法変化や変形が出やすいため、設計段階から材質の特性を踏まえておくことが大切です。

PP(ポリプロピレン)の樹脂切削加工事例
PPの切削加工を依頼する前に知りたい設計ポイント

アクリル(PMMA)

透明度が高く、切削面の仕上げが外観を左右します。割れや欠けにも注意が必要です。

アクリル(PMMA)の樹脂切削加工事例
アクリルの切削加工を依頼する前に知りたい設計ポイント
塩ビとアクリルの選定・使い分けのポイント

ポリエチレン(PE)

軽量で耐薬品性と耐水性に優れ、タンクや配管部品などに使われます。軟らかいため、バリやたわみに注意します。

ポリエチレン(PE)の樹脂切削加工事例

塩ビ(PVC)

耐薬品性と加工性のバランスがよく、配管部品やカバーなどに使われます。入手しにくい場合は、代替材の選定も重要です。

塩ビ(PVC)の樹脂切削加工事例
塩ビ(PVC)の代替材の選び方

フェノール樹脂(ベークライト)

熱硬化性樹脂で、絶縁性と耐熱性に優れています。切削時に粉じんが出るため、集じん対策が必要です。

フェノール樹脂(ベークライト)の樹脂切削加工事例

ここで紹介した樹脂のほか、ゴム、セラミックス、ガラス、金属にも対応しています。

対応材質・サイズの一覧
ゴムの切削加工事例
セラミックスの切削加工事例

4.樹脂切削加工の材質選びで迷った際の選び方

樹脂切削加工において、材質選びに迷った際の用途別の目安は以下のとおりです。

  • 摺動・耐摩耗:PTFE、UHMW-PE、MCナイロン
  • 透明性:PC、アクリル
  • 絶縁・寸法安定:ユニレート、PEEK
  • 高温・薬品:PEEK、PPS、PVDF
  • 食品機械・異物対策:POM(ポジティブリスト対応)、金属検知対応の樹脂
  • 半導体・静電気対策:帯電防止樹脂

帯電防止樹脂とは
金属検知対応の樹脂素材とは
食品機械向けの樹脂切削加工事例
医療機器向けの樹脂切削加工事例

材質を変えるだけで、コスト、品質、納期の課題が解決することもあります。昨今では金属を樹脂に置き換えて軽量化する方法も増えています。

材質提案による課題解決事例
金属製品の樹脂化による軽量化・コストダウン事例
FA設備パレットの材質転換による生産性向上の事例
課題解決事例の一覧

まとめ|樹脂切削加工はお任せください

樹脂切削は、材質によって切削のしやすさも、設計で気をつけたい点も異なります。樹脂・プラスチック切削加工ラボでは、PEEKやPTFEなどのスーパーエンプラから汎用樹脂まで、幅広い材質の切削加工に対応しています。1個からの試作も、数千個までの少量生産もお任せください。

材質選びに迷っている段階でも、図面がない場合でも、お気軽にご相談ください。

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